いっしょに「地域循環型のまち長岡」をつくりましょう
私たちは、一般社団法人ながおか自然エネルギーです。
私たちは、地域の自然と伝統を活かして、市民共同の力で、新しく「地域循環型のまち長岡」をつくり、未来の世代に残したいのです。この「新しい地域循環型のまち」とは、地域の中にある自然エネルギー・お金・労働・助け合いが域内で循環し、持続可能で、人々が自律ネットワーク型につながるまちのことです。
私たちは、社会の営みの基盤となるエネルギーのあり方を市民が考え活用することで、自立的に発展する新しい長岡のまちを実現したいと思います。私たちは、このために太陽光・風力・バイオ・小水力といった自然エネルギーの活用を目指します。それとともに身近な省エネルギーから始めて、エネルギーロスが少なく、光熱水費が低く抑えられる省エネルギー住宅の普及を目指します。
自然エネルギーもそうですが、私たちの最大のエネルギー源は、「人と人のつながり」です。多様な人と人とが市民として交流して発生するエネルギーこそが、真に未来世代に責任をもった地域循環型の社会を創り出すことでしょう。
ぜひ、皆さんおひとりおひとりの力をお貸しください。
一般社団法人ながおか自然エネルギー設立趣意書
*地球沸騰
世界各地で熱波や大寒波など気候変動が激化し、山火事が続き、地球は温暖化どころか国連の言うように「沸騰」しています。温暖化対策のための脱炭素化に向けての早急な社会的エネルギーシフトが、すなわち、化石エネルギーから自然エネルギーなどの再生可能エネルギーへの利用の社会規模での転換と省エネ技術の普及が世界的に要請されています。
私たち市民は共同して、将来の世代のために、自然エネルギーの循環による地域自立に向けて、自然エネルギーの活用と省エネ技術の普及を図る民主的な「市民エネルギー」に参加します。そうすることで、エネルギーシフトを促進し、将来の世代に残すべき持続可能な地域循環型の社会を作ることを目指します。
*福島第一原発事故の反省
2011年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原発事故の原子力災害は大きな被害をもたらし、数十万人の人々が被害を受けました。原発から放射性物質が広範囲に拡散したことで、多くの方が健康被害を受け、今なお苦しんでいます。また、故郷や生活やコミュニティを奪われ、避難したまま帰還できず、長期の避難生活を余儀なくされている方が大勢います。
福島原発事故を反省して、こうした悲劇を2度と繰り返さないために、原子力に頼らず、安全で再生可能な自然エネルギーへのエネルギーシフトが必須です。私たちは「市民エネルギー」により、これまで中央集権体制の下に効率主義で築いてきた社会のあり方そのものを根源から問い直し、地域の価値を発見し、活用することで、未来の世代に引き継ぐ新しい社会、持続可能な地域循環型の社会を構築することを目指します。
*市民エネルギーによる民主主義の深化
このような「新しい社会」は、それぞれの地域の現実に即して市民が自らの力で発案し、共同して創り出す必要があります。そこで、自然エネルギーの循環による地域自立のため、市民の共同による自然エネルギー活用事業、すなわち、「市民エネルギー」と省エネ技術の普及が、このような課題解決に叶うものとして、世界中で注目されています。
「市民エネルギー」は、社会の基礎となるエネルギーの生産から流通、消費のあり方を市民自らが考え共同して変革し実践する試みです。それは、市民が包括的な社会分野へ参加することを可能にし、民主主義そのものを深化させ、拡大する効果があるのです。
*自律的な地域循環型社会の形成
市民の共同した「市民エネルギー」の実践は、エネルギーシフトを促進しますが、さらに地域に新たな雇用や財やお金の流れを生み出し、地域においてエネルギー・お金・労働・助け合いの循環を発展させてゆきます。それは、ヒト・モノ・カネ・情報の流れが中央に集中する経済・社会構造を徐々に変革し、真に自立可能な循環型の地域の形成に繋がります。地域が活力をとりもどすには、中央のみならず、地域の市民が共同して、地方行政・専門家・団体や企業と共に創意工夫し、自立のための具体的な実践を積み重ねていく必要があるのです。
*当法人の設立の経緯
当法人の源流は、2021年3月に5人の市民によって、気候変動とエネルギーの勉強をするために立ち上げられた「長岡・自然エネルギーを考える会」です。「考える会」の毎月の例会を重ねる中で、私たちは、ここ長岡でも「市民エネルギー」の試みをスタートさせる必要性を確信しました。そして、2023年1月、市民による自然エネルギーの活用:「市民エネルギー」のための任意団体、「長岡に市民電力を作る会」を結成しました。「作る会」において「市民エネルギー」の可能性について協議を積み重ねて、2023年4月、地域循環型の長岡のまちを目指す「ながおか自然エネルギー」に団体名を改称しました。私たちはさらに、多様な年齢・職業・信条・関心の市民が多数集まり、エネルギーや地域社会のあり方について恒常的に協議し、社会変革を実践する場として、法人の「ながおか自然エネルギー」の設立がきわめて重要であることを確認しました。
今日ここに私たちは、長岡の人々や自然や伝統を活かしつつ、未来世代に引き継ぐ新しい地域循環型社会を実現するため、「一般社団法人 ながおか自然エネルギー」の設立を宣言いたします。
令和5年(2023年)12月6日
一般社団法人「ながおか自然エネルギー」